2019年度の企画



『質心、軽暖の方法論祭り2020』

 質的心理学会研究交流委員会では、質的研究を学びたいけど学ぶ環境がないという初学者の方や、自分が普段使っている方法論とは異なる方法論を学んで、質的研究に対する理解を深めたいというご要望にお答えするために、方法論についての講習会を開催しています。今回は、グラウンデッド・セオリー・アプローチ、ビジュアルナラティブ、ELANという多彩な方法論を取り上げます。質的研究の基本としてグラウンデッド・セオリー・アプローチを改めて学んだ上で、新しい技法であるビジュアルナラティブやELANという新しい方法を学ぶなど組み合わせてくださっても結構ですし、単体でも受講いただけます。人数に限りがありますが、多くの方のお申込みをお待ちしております。

■日時:2020年2月23日-24日
■場所:武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス(JR・地下鉄市ヶ谷駅徒歩3分)
■参加費:
 日本質的心理学会会員(2020年度から入会申し込み中も含む):1企画につき1000円 当日払い
 非会員:1企画につき4000円
■申込先はこちら
■プログラム概要
2月23日「グラウンデッド・セオリー・アプローチという研究法」
     講師:戈木クレイグヒル滋子・西名諒平(慶應義塾大学)詳細
2月24日「ビジュアル・ナラティブを学ぶ」
     講師:やまだようこ(京都大学名誉教授)詳細
2月24日「ELANを使いこなす」
     講師:細馬宏通(早稲田大学)詳細

■各プログラム:
●「グラウンデッド・セオリー・アプローチという研究法」
【日時】2月23日(日)10:30ー16:00
【講師】戈木クレイグヒル滋子(慶應義塾大学 看護医療学部教授)
   ・西名諒平(慶應義塾大学 看護医療学部助教)
【企画概要】
 グラウンデッド・セオリー・アプローチ(以下GTA)は、相互作用によって変化するプロセスと構造を現象として把握することを目的とした研究法で、問いの立て方からデータ収集、データ分析、次に収集するデータのサンプリングまでの手順が体系立って作られています。質的研究において、いかにして概念を抽出し、現象を把握したのかを明示することは極めて重要ですが、GTAでは"データに根差した"具体的で段階的な分析によって、出来る限り研究者自身のバイアスを排除し、他者にも説明可能な分析を目指します。
 今回のセミナーでは、演習として、実際にGTAの分析手法を用いてサンプルデータの分析を行うことで、データに根差した分析を行う方法とその重要性を学びます。分析手法としてだけではなく、一連の体系的な研究法として、GTAを理解する機会にしていただきたいと思います。
【タイムテーブル】
10:30-12:00 講義1:GTAとその分析手順
12:00-13:00 ランチョン演習1:プロパティ・ディメンションの抽出とラベルづけ
13:00-13:30 ディスカッション1
13:30-14:00 講義2:カテゴリーのまとめ方とアクシャルコーディング
14:00-14:15 休憩
14:15-15:15 演習2:カテゴリーの作成とアクシャルコーディング
15:15-15:45 ディスカッション2
15:45-16:00 まとめ
【参考図書】
(A)戈木クレイグヒル滋子(編著),グラウンデッド・セオリー・アプローチ-分析ワーク
ブック第2版,日本看護協会出版会,2014
(B) 戈木クレイグヒル滋子(編著),グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いたデータ収集法,新曜社,2014
(C)戈木クレイグヒル滋子,グラウンデッド・セオリー・アプローチ 改訂版-理論を生み出すまで,新曜社,2016
【事前課題】テキスト(A)の第1章から第3章を読んでくると演習の学びが深まります。

●「ビジュアル・ナラティヴを学ぶ」
【日時】2020年2月24日(祝)13:00ー17:00
【講師】やまだようこ(京都大学名誉教授・立命館大学OIC総合研究機構)
【企画概要】
コラージュをつかったビジュアル・ナラティヴのワークショップを通じて、ビジュアル・ナラティヴの理論と方法を実践的に学ぶ。
【タイムテーブル】
13:00-13:40 ビジュアル・ナラティヴWS1 コラージュ制作
13:50-14:50 ビジュアル・ナラティヴWS2 コラージュ発表会
15:00-17:00 ビジュアル・ナラティヴの理論と方法(講義と討論)
【参考図書】
(A)『N:ナラティヴとケア9号 (やまだようこ編)ビジュアル・ナラティヴ−視覚イメージで語る』遠見書房
(B)『人生を物語る−生成のライフストーリー』(やまだようこ編)ミネルヴァ書房
【事前課題】特になし
【持ち物】
1)はさみ、のり(この2点は必須です。)
2)描画用具、コラージュ制作の材料(雑誌、広告、新聞、布、ひも、箱、おもしろそうなもの何でも。)
(これらは持ち寄ったものを共有して使うので、手持ちのもので結構です。コラージュは、即興でありあわせの材料を組み合わせて制作を楽しみます。前もってコラージュの内容を考えて材料を集めないようにしてください。)
3)画用紙は、会場で準備します。

●「ELANを使いこなす」
【日時】2月24日(祝)13:00ー17:00
【講師】細馬宏通(早稲田大学文学学術院教授)
【企画概要】ELANはマックス・プランク心理言語学研究所で開発された、映像と音声に注釈を入れるフリーのソフトウェアである。映像音声データの時間情報と記述を結びつけることができ、アイディアメモ、コーディング、質的データ分析などに広く応用できる。この講習では、簡単な映像音声データを素材に、アノテーション(注釈作成)とコーディング、分析、結果の出力までを学ぶ。また、アイディアを出すプラットフォームとしての活用方法など、さまざまな応用例も紹介する。映像と音声をもとにデータを捉え直したい研究者向け。ELANの初学者から中級向け。
【タイムテーブル】
13:00- データの読み込みと入力の準備
13:30- コーディングと管理語
15:00- サンプリングと簡単な質的/量的分析
16:00- さまざまな応用例の紹介と実践
【参考図書】ELAN入門(細馬宏通・菊地浩平編/ひつじ書房)
【事前課題】
・あらかじめマックスプランクのサイト でELANをダウンロードし、持参するノートパソコンにインストールしておくこと。
ELAN入門 on the webのサイト でサンプル動画と音声をダウンロードしておくこと。
【持ち物】
ELANをインストールしたノートパソコン。USBメモリスティック×1(データを受け渡す際に使うことがあります)。


日本質的心理学会・日本精神衛生学会 共催ワークショップ

●タイトル:こころの健康に関する質的研究法 複線径路等至性アプローチ (TEA) の 入門から論文発表まで
●日 時:2019年11月24日(日) 午後2時-午後7時
●会 場:武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス
●企画趣旨:複線径路・等至性アプローチ(TEA)とは、立命館大学のサトウタツヤ先生と安田裕子先生が提案した質的分析の枠組みです。時間を捨象せず、個人の経験や変化とその文化的背景を分析できます。本ワークショップでは、近年様々な分野の研究で用いられているこの複線径路・等至性アプローチについて紹介し、その初歩的な分析を体験していただきます。 最初15分ほどで複線径路・等至性アプローチの理論的背景と利用可能性についてお話しし、次の2時間でグループに分かれて、心の健康に関する簡単なデータの分析を体験し、TEM図と呼ばれる径路を表す図を作成することを試みます。最初に理論的な解説をいたしますので、初めてこのアプローチに触れる方や、初めて質的研究に触れる方も、ぜひご参加下さい。
●プログラム
2時 質的データ分析法(複線径路等至性アプローチ)の基礎に関する講義と実習
   講師:安田裕子(立命館大学)
4時半 複線径路等至性アプローチによる研究例を学ぶ
  『ガンで配偶者を亡くした人の心理過程に関する質的研究』
    発表者:大川満里子(中野区立教育センター)
5時 複線径路等至性アプローチを使って研究をしている人の発表と助言
   助言者:安田裕子(立命館大学)
6時  LET'S TALK OVER COFFEE !
   交流を深めながら、参加者各自の研究について意見交換をしましょう!
●講師・発表者略歴
安田裕子 (立命館大学総合心理学部准教授) 博士(教育学・京都大学)
  編著書に『TEMでひろがる社会実装―ライフの充実を支援する』(誠信書房)
 『ワードマップTEA 実践編・理論編』(新曜社)ほか多数。
大川満里子 (中野区立教育センター) 修士(臨床心理学・ルーテル学院大学)
 分担執筆「がんで配偶者を亡くした人の介護生活から死別後までの心理過程」
 (『TEMでひろがる社会実装』(誠信書房)に収録)
●参加費:学会員 2,000円 非学会員 6,000円 学生・院生 1,000円
 当日、会場で納入してください。
●定 員:35名
●申込方法:人数超過のため、申し込みを締め切りました
●申込締切: 2019年11月15日(金)
●参加条件: 参加当日、受付にて個人情報保護に関する誓約書に署名をお願い致します。
●会場案内:武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス
●当日受付:1階エントランスホール
●問合せ先:日本精神衛生学会事務局
  ウェブサイト http://www.seishineisei.gr.jp/

日本質的心理学会第16回大会前日企画「ケアの意味を見つめる事例研究」

【タイトル】大会前日企画「ケアの意味を見つめる事例研究」
【概要】対人援助である看護の実践知を他者が学びその後の実践を改善・変革することのできるような形式知に変換する事例研究方法の開発にとりくんでいる。
この事例研究では、実践の本質やコツを短い言葉にまとめ、そのもとで詳細な実践者の一人称的記述を配置する。本セミナーでは、このような事例研究の学問的要件についてのこれまでの考察を紹介した上で、模擬事例を使って分析の第一歩を実体験して頂きます。

【日時】2019年9月20日(金)第16回大会前日 14:00〜18:00
【場所】明治学院大学1353教室
【講師】山本則子(東京大学大学院 健康科学・看護学専攻 教授)
【参加費】日本質的心理学会会員は1,000円、非会員は5,000円
【申し込み時の記載内容】(1)氏名と所属(無所属でも可)、(2)連絡先、
(3)研究主題と研究領域、(4)応募理由(400字以内)、(5)会員/非会員の別
【申込期間】2019年6月25日〜 (定員に達し次第終了)
【定員】20名
【申込・問い合わせ】https://forms.gle/N143TcsBwCUgmVVe8 (担当:荒川)